<高校野球東東京大会:関東第一4-0小山台>◇27日◇決勝◇神宮

「小山台野球班に憧れて必死に受験勉強した」。小山台(東東京)の躍進を女子マネジャー、大崎寿音さん(3年)が支えた。都立有数の進学校。強豪校のように恵まれた環境がなくても、偶然出会ったメンバーと都立校が甲子園を目指す姿にあこがれた。

6月中旬、部員投票でメンバーを決めた。裏方に回った3年生に野球日誌を使って呼びかけた。「誰が選ばれようと、小山台は最後まで全員野球だ。最後まで全員でつかみ取ろう。甲子園」。20人からもれた選手たちも、大崎さんのメッセージに同調した。

「裏方が強い代が強い。日本一の裏方としてメンバーを支える力となれ」。福嶋正信監督(63)の言葉を胸に、新チーム発足後「史上最弱」と言われたチームを優勝争いできるまでに支えた。決勝戦当日、開門後わずか20分で一塁内野席は満席になった。強力な裏方たちが、スタンドにいた。

今夏も準優勝。昨夏の雪辱を果たすことは出来なかった。しかし、公立勢72年ぶりの2年連続決勝進出の快挙の裏には「日本一の裏方」の力があった。「小山台で良かった」。大崎さんは達成感に満ちた表情の部員たちを見渡した。【加藤理沙】