37年ぶりに夏の甲子園に戻ってきた立命館宇治(京都府宇治市)の吹奏楽部が放火殺人事件の被害に遭った京都アニメーション制作の人気テレビアニメ「響け! ユーフォニアム」の主題歌「DREAM SOLISTER」を応援曲として演奏した。

甲子園出場が決まると、地域住民から「何とか京都アニメーション制作の曲を応援歌として演奏してくれないか」と要請があった。コンクール前の練習と時期が重なり、新たな曲を一から練習することに戸惑いがあった。しかし、顧問を務める深江雅彦先生(56)は「演奏することで慰霊の意味もある」と考えた。部員たちも話し合いを重ねた末、演奏することを決意した。

普段は13時半からの練習を12時半に早め、1時間を新曲の練習にあてた。多忙な日々だったが、野球部のため、事件に巻き込まれてしまった方々のため、応援の意味を込めて必死に練習を重ね、星稜高(金沢市)との2回戦の試合に間に合わせた。

「DREAM SOLISTER」を演奏した6回には星稜から3点を奪い、「京アニ効果」を発揮した。試合には敗れたが、京都府の思いを背負い、アルプスで応援し続けた吹奏楽部の音色は確かに甲子園に響き渡った。【只松憲】