智弁和歌山の記録的猛打を後押ししたのは、やはりあの「魔曲」だった。

0-1の7回、1死から池田陽佑投手(3年)が二塁打を打ったところで、アルプス席は名物のチャンステーマ「ジョックロック」を奏で始めた。すると敵失でチャンス拡大。さらに黒川史陽内野手(3年)の遊撃への打球は大きくイレギュラーバウンド。併殺コースが、幸運な内野安打となり、同点とした。

続く細川凌平外野手(3年)は右翼に勝ち越し3ラン。根来塁外野手(3年)東妻純平捕手(3年)にも1発が出た。魔曲がエンドレスに鳴り続く中で生まれた、大会タイ記録の1イニング3本塁打。しかもこの間、普段の浜風とは反対の右方向への風が吹いていて、3アーチともアシストを受けた。

12日には兄弟校の智弁学園(奈良)が同曲をバックに、6点差を一時逆転する7得点。中谷仁監督(40)は「僕はアルプス(席)の力のような気がしてならない。昨日も今日も『ジョックロック』。何かが起こりそうな勢いを与えてくれます」と大応援に感謝した。