<全国高校野球選手権:履正社9-4高岡商>◇17日◇3回戦

「遅球の横手投げ」が、3試合目にして力尽きた。高岡商の荒井大地投手(3年)だ。最速129キロで履正社に立ち向かい、6回7失点。大敗の中、技ありの投球も見せた。「遅くても井上君(広大=履正社の4番)を抑えられた」と涙の顔が話した。

1回2死二塁で井上を迎えた。6球目、102キロのカーブをファウルされたあと、128キロの内角速球で空振りの三振に仕留めた。「抜けた速球ですけど、シュートをかけた。いいところで曲がってくれた」。3回は101キロのカーブで連続三振。この日の最速は129キロ、最遅球は97キロ。緩急差が32キロもあった。最速では遠く及ばない奥川(星稜)にも、緩急差だけなら負けない。

しかし、速球が浮いた3回につかまった。3失点。4安打はすべて120キロ台の速球だった。6回には手玉にとった井上にも99キロのカーブを2ランされた。

「緩急は使えたが、速球が甘く入ってしまって。もっと制球も、スピードも上げないと」。170センチの右腕は、上手から横手に変えて10カ月。進学して投手を続ける。【米谷輝昭】