新潟明訓のエース関谷将馬投手(3年)が「完全燃焼」をかけて、県夏季大会に臨む。

昨年から頭角を現してきたが、昨秋の県大会4回戦・新潟産大付戦で打ち込まれるなど勝負どころで力を発揮できなかった。冬場の猛練習で体力アップし、精神面も克服。チーム一の努力家が最後の夏に花を咲かせる。

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関谷が積み重ねの成果を見せる場が、もうすぐやってくる。新潟明訓の初戦は23日、新津南との2回戦。ベスト8までのブロックには昨秋の県王者・北越、昨夏の甲子園出場校・日本文理がいる。「強敵とは先に当たるか、後で当たるかだけ。挑戦者の気持ちで目の前の相手に集中する」と一戦必勝を誓う。

「チーム一、練習してきた」と自負する。167センチと小柄な左腕。直球、カーブ、スライダー、カットボールを駆使。丁寧にコーナーを突く、打たせて取る投球術は尊敬するヤクルト石川雅規らの動画で研究した。普段の投球練習では規定の数を投げ込んでも納得できる球が決まらなければ「あと1球」を繰り返す。

島田修監督(55)は「最後にいい思いをしてもらいたい選手」と言う。冬場の努力はチームの誰もが認めている。毎朝7時30分から自主トレでグラウンド周辺を走り込み、タイヤを引くダッシュも10本以上。放課後の全体練習後は左翼と右翼間の往復ダッシュと30分ほどの長距離走。足りない時は400メートル、800メートル走を追加した。自分の投球フォームも動画でチェックを怠らない。

昨年から投手陣の軸と期待されていた。ただ、昨秋の県大会は4回戦の新潟産大付戦で初回に3ランを許して敗戦投手に。それまでの2試合で8イニング無失点だったが自信を砕かれた。昨春も4回戦の糸魚川戦で初回に4失点、夏は大会前に左肩を痛めて登板がなかった。

結果が出ないことを「自分に負けているから」と正面から受け止めた。猛練習はその克服のため。逃げずに向かう姿勢を島田監督は「うちのエース。下級生の手本」と絶賛する。「新潟明訓に入って1度も優勝していない。最後は勝つ」。そのために、関谷は最後まで努力を続ける。【斎藤慎一郎】

◆関谷将馬(せきや・しょうま)2002年(平14)11月29日生まれ、新潟市出身。曽野木小2年から野球を始め、6年の時に台湾遠征を経験した。曽野木中では投手。新潟明訓に入学し、1年秋に初めてベンチ入り。2年秋から背番号1をつける。167センチ、65キロ。左投げ左打ち。