佐渡が4-3の逆転勝ちで佐渡総合を下し、佐渡島同士の対戦を制した。2-3の6回1死二、三塁に大地矢童(しどう)左翼手(3年)が逆転の右越え2点二塁打を放ち、佐渡島対決に決着をつけた。村上桜ケ丘は豊栄に22-0の5回コールドで大勝。1回裏に1番須貝恭平遊撃手(3年)が大会1号になる先頭打者本塁打で打線に火をつけた。

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左打席に入った村上桜ケ丘・須貝が鋭くバットを振り抜いた。伸びた打球が右翼席に落ちる。「ど真ん中の直球。右翼を越えると思ったけど、入るとは…」。1回裏、先頭の第1打席。自分でも驚いた1本は、高校通算3本目で公式戦初本塁打。そして歴史に残る夏季大会の第1号になった。

この一打を皮切りに村上桜ケ丘は18安打22得点の猛攻。2回裏は打者19人で15得点と爆発した。この回に2度打席が回ってきた須貝は、セーフティーバントの三前内野安打に左前適時打をマーク。「安打の延長が本塁打」と攻勢の中、長打のイメージは消した。冬場、多い日は1日1000回バットを振って身に付けたコンパクトなスイングで、冷静に出塁することに努めた。

村上桜ケ丘はここ2年、夏の選手権県大会では初戦敗退。「夏」の初戦突破は17年以来になる。「みんなで初戦から全力で行こうと話した。目指すのは優勝」。歴史に名を刻んだリードオフマンが頂点を目指すチームを勢いに乗せた。【斎藤慎一郎】