室蘭地区は、最速146キロの道内高校ナンバーワン左腕、エース根本悠楓(3年)擁する苫小牧中央が、えりもを10-0の5回コールドで下し、初戦を突破した。根本は5回から3番手で登板。13球すべて直球で、1回無安打無失点、2奪三振で締めた。

先頭打者からこの日最速の142キロで三振を奪うと、連続三振の後、最後は投直を冷静にキャッチした。1人も走者を出さず、投手3人での完全リレーを締めくくった。昨秋以来の公式戦に「全力ではないが140キロは出しておきたかった。8割から9割の力。初戦にしては手応えはあった」と振り返った。

コロナ禍で練習自粛の期間も、オフに行っていた壁当て、ダッシュ、柔軟体操のルーティンを続けて状態を維持した。10日には昨夏南北海道大会準優勝の札幌国際情報との練習試合に登板し、9回1失点で完投。「大会前に全道の上位チーム相手に投げられたのは大きい」。体力、球威、制球力ともに万全で、最後の夏を迎えた。

目指すプロの舞台に向け、まずは自身初の道大会出場を目指す。昨年は3季連続で駒大苫小牧に惜敗し、手が届かなかった。雪辱を期した春の大会は中止となり、夏の甲子園もなくなった。それでも「最後に道大会にいきたい。そこで自分の力をしっかり見せたい」。24日の次戦は昨秋全道大会8強の北海道栄。厳しい道を乗り越えることで、自身の価値も高めていく。【永野高輔】

▽えりも・小笠原秀斗主将(3年)(9人ぎりぎりで単独出場も敗れ)「強いチーム相手に、いい当たりもあった。野球を続けてきて、主将もやらせてもらい、リーダーの自覚や責任感を持てるようになった」