伝統校・静岡商は、9-2で星陵を退け、初戦突破。今秋ドラフト候補の高田琢登投手(3年)が2番手で登板し、好投した。

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静岡商の高田が、今夏初マウンドで力強さを見せた。2点リードの5回から登板し、いきなり3者連続奪三振。3人目の打者には、この日最速の146キロを計測した。「今日は3イニングだけなので、最初からまっすぐで押していこうと思っていた。球もよく走っていた」と振り返った。

最終回は、直前の攻撃が長引いたことでテンポが乱れ、暴投から1失点。「悔しい」と唇をかんだが、その後は、140キロ台の直球を連発。1安打7奪三振で、相手打線をねじ伏せた。「次もあるので切り替えるが、リズムが崩れても試合中に修正できるようにしたい」と反省を口にした。

この日は、プロ6球団が視察。スカウトたちは、快投を見せる高田の姿に目を奪われていた。中日の清水昭信スカウトは「僕のスピードガンでは147キロが出た。直球でも変化球でも腕がよく振れている。技術も高く、高校生とは思えない」と絶賛。オリックスの乾絵美スカウトは「素晴らしかった」と目を細めた。

快調な滑り出しとなったが、御殿場西との次戦へ向けて「甘く入ると打たれると思うので、しっかりと低めに投球を集めたい」と引き締めた。県の頂点を目指し、1歩ずつ階段を上っていく。【河合萌彦】