五泉はシード校の巻を破っての3回戦進出。180センチの大型右腕、先発の渡部真白投手(3年)が投げて、打って、走って勝った。

渡部は130キロ台後半の直球とスライダーを使い分け、2回だけで4奪三振。投球でリズムをつかむと、3回に打撃で魅了する。2死二塁のチャンスで初球をフルスイング。右中間にグングン伸びる打球を目で追うことなく、一気に三塁ベースに滑り込んだ。「やってやった!」。自らのバットで貴重な追加点を奪ってみせた。

初回からスコアボードに「0」を並べたが、次第に疲れが出始め、6回裏無死二塁のピンチを迎える。「ここで負けられない。一段ギアを上げた」。後続を一直、遊直、二ゴロに打ち取ると、大きく右拳を握ってガッツポーズ。

「打倒私立」がチームの合言葉。昨夏はベスト8に進出したが、優勝した日本文理に敗れた(7回コールド、0●7)。「あの悔しさを晴らすにはこの大会しかない」。ハードエコスタジアム新潟での新潟商との3回戦(25日)は、その時以来となる。「次も緊張するかもしれないが、それを力に変えたい。ストレートで押していきたい」。3年間の集大成、渡部は攻めの投球を貫く。【小林忠】