東京学館新潟は新潟第一に3-0で勝ち、4回戦進出を決めた。先発のエース高橋駿投手(3年)が初回先頭から6者連続三振を奪う快投を演じ、16強入りの原動力になった。昨夏の甲子園出場校・日本文理は初戦2回戦で万代に17-0の5回コールド勝ち。昨夏の決勝以来、約1年ぶりに公式戦白星を挙げた。新発田中央は新発田南との接戦を制した。1番小見孝太中堅手(3年)が2安打3打点で勝利に貢献した。

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いきなり6者連続の奪三振劇で高橋の好投が幕を開けた。初回先頭の嶋田那瑠三塁手(3年)からイニングをまたいで6番亀山大和遊撃手(2年)まで三振を連続で積み上げた。直球を主体にコーナーに散らして空振り三振は3、見逃し三振も3。派手な立ち上がりでチームをのせた。

しかしマウンドの高橋は冷静だった。「自分は三振を取る投手ではない。打たせて取る方が味方のリズムも良くなる」と3回以降は配球をガラリと変えた。カーブ、スライダー、カットボールの変化球主体の投球内容に変更した。7回裏の攻撃、先頭打者の場面で代打を出されて退くまで7回を被安打4、9奪三振で無失点投球。先発の役割を、エースの務めを果たした。

19日の2回戦の巻総合戦(10○0、5回コールド)でも高橋は先発している。3回を投げて被安打1本ながら5四死球で制球が乱れた。しかし3回戦までに修正した。この日は無四球投球だ。巻総合戦の応援に訪れた父和幸さん(50)が撮影した動画を何度も見直しフォームの乱れを探り出した。「上半身が先に回っていた」と練習で手直し。万全の状態で3回戦に挑んでいた。

東京学館新潟は“3枚看板”を誇る。この日も2番手で登板し、0封リレーを完成させた南波秀投手(3年)、さらに高瀬昌太郎投手(3年)の右腕2枚が控える。「ほかの2投手もいい」と話したエースだが背番号1のプライドものぞかせた。「自分が先発なので先取点を取られないことをテーマに投げたい」と4回戦以降もエースの役目を果たす決意だった。【涌井幹雄】