昨夏の甲子園出場校・日本文理は初戦2回戦で万代に17-0の5回コールド勝ち。昨夏の決勝以来、約1年ぶりに公式戦白星を挙げた。

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日本文理は2番手、背番号19の田中翔太投手(3年)が好投した。3回から先発の種橋諒投手(3年)から継投すると5回まで3イニングを1人の走者も出さずに7奪三振。“パーフェクトリリーフ”で無安打リレーを完成させた。今大会が公式戦初のベンチ入り。「緊張したけど、日ごろからいつでもいける準備はしていた」。直球で内角を突き、変化球を低めに集めて三振の山を築いた。

投手陣はエースの種橋のほか、黒埼中のチームメートで昨夏の甲子園のマウンドを踏んでいる長谷川優也内野手(3年)ら層が厚い。それでも「必ずベンチメンバーに入る」とあきらめなかった。冬場は下半身を強化のため、連日、両翼間のダッシュを10往復。入学時は120キロほどの直球の最速は136キロまで伸びた。

日本文理は昨秋の県大会で32年ぶりの公式戦初戦敗退。この日の勝利が東京学館新潟を破って10度目の甲子園出場を決めた昨年7月24日の選手権県大会決勝以来、365日ぶりの公式戦白星だ。「自分たちの目標は県制覇。そのために1試合1試合全力でやるだけ」。田中は初めて公式戦のマウンドに立った実感を自信に変えた。【斎藤慎一郎】