北越は延長10回タイブレークの末、東京学館新潟に1-0で競り勝った。エース阿部柚士郎投手(3年)が6安打完封した。

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最後の打者を右飛に打ち取り、北越・阿部は大きくガッツポーズをしながら笑顔をみせた。タイブレーク(無死一、二塁から開始)で行われた延長10回表、味方が相手ミスで1点を奪い、均衡を破った。「何でもいいから取ってくれと思っていた。1点あれば大丈夫」。その言葉通り、10回裏をきっちり3人で抑えた。

立ち上がりは不安定で3回までに5安打を許した。「球速を出そうとしていた」と力みから球が浮いた。ただ、中盤からは「普段通りに横手からきっちり投げる」と腕の角度を意識して修正。4回以降は、1安打に抑えた。

接戦は望むところ。昨秋の北信越大会、北陸(福井)、上田西(長野)にいずれも3-2で競り勝って4強入りした。その経験が生きている。「ピンチの方がおもしろい」。強心臓のエースがチームを夏の王者に向けて、また1歩前進させた。【斎藤慎一郎】