上越は関根学園に7-6で逆転勝ちし夏は初の4強入り。2-5の7回裏2死満塁で公式戦初打席の堀川柊斗捕手(2年)が左中間に走者一掃の同点二塁打を放ち、チームを勢いに乗せた。準決勝は4日、ハードオフ新潟で行われる。

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上越の夏の初4強を引き寄せたのは公式戦初打席の堀川だった。1-5で迎えた7回裏。1点を返し、なお2死満塁。初打席を祝福するようなチャンスで打撃機会が訪れた。「『3年生と1試合でも多く試合ができるように』と思った」。そんな思いをバットに注入し、左中間へ走者一掃の同点二塁打。送球間にヘッドスライディングで三塁を奪うと立ち上がって両腕を突き上げた。「ベンチを見るとみんな笑顔だった。うれしかった」。

7回表の守備から捕手に入り、その裏に打席が巡ってきた。打席に入る前には冬場から決めていたルーティーンを忘れなかった。右足に重心を掛け、真っすぐ張った胸を左手で3度たたく。「気持ちを入れる」動作から向かった打席での貴重な長打だった。

川田淳監督(56)は「途中で代えられた3年生たちが、出て行く選手に指示や声援をしていた。ベンチのムードが良くなった」と言う。そんな好ムードを堀川のバットが勝利への流れに一段、切り替えた。5-6となった8回裏に打線は2点を奪い、逆転。「3年生を決勝の舞台に連れて行きたい」。堀川は準決勝の中越戦でも勝利につながる活躍を誓った。【涌井幹雄】