プロ志望高校生合同練習会が6日、東京ドームで行われ、「福島のドクターK」こと学法福島の左腕・辻垣高良投手(3年)が、猛アピールを見せた。

カウント1-1から始まるシート打撃に登板し、打者7人に5奪三振1四球、許した安打は内野安打1本のみ。「良かったと思います。最初は変な緊張がありましたが、マウンドに立った瞬間に空気が変わったというか、自分の空気に持ち込めた気がする。楽しかったです」と持ち前のマウンド度胸も見せつけた。

昨秋の県大会は9試合85回で89三振、防御率1・05で53年ぶり優勝の原動力となった。今夏の福島大会は、初戦で準優勝した光南から11三振を奪いながら0-2で敗れた。この日の最速はその試合で記録した143キロだったが、大会後に取り入れた2段モーション気味の新フォームの効果で直球の威力が増した。5三振はすべて140キロ台直球で空振りで奪った。「いつもは変化球で三振を取っていたけど、今日はレベルの高いバッターにストレートで押せたのは良かった。スピード以上のものが出ていたのかな」と進化を実感していた。

3年間で全国舞台を踏むことはなかったが、プロを目指す東日本の逸材たちと交流を深められた経験もプラスにする。キャッチボールの相手になった大崎中央(宮城)氏家蓮投手(3年)にも「すごい球を投げていたので見習いたいと思った。どういう意識でやっているかとか聞きました」。浦和学院(埼玉)美又王寿投手、浦和実(埼玉)豆田泰志投手、高崎健康福祉大高崎(群馬)下慎之介投手、国学院栃木のシャピロ・マシュー・一郎投手(いずれも3年)らとも情報交換するなど、積極的に吸収しようとした。

全国的には無名だが、すでにプロ12球団がチェックを行っている隠し玉候補。「ドラフトにかかるか分からないですけど。これからもっと体を鍛えるのはもちろんですけど、キャッチボール1つから細かいところを高めていきたい。フォームもプロのレベルでできるよう、もっともっと良くしていきたい」と貪欲だった。