1度なくなりかけた試合で、その後再試合が決定した注目の対決は、米子松蔭が逆転サヨナラ勝ちで3回戦進出を決めた。2点を追う9回、無死一、三塁から山崎泰輝投手(3年)の中前への適時打で1点差に迫ると、2死満塁から4番小野陽一朗外野手(3年)が左前へのタイムリーを放ち、2人の走者をかえし、劇的な幕切れとなった。

学校関係者の新型コロナウイルス感染が確認されて鳥取大会の出場を1度は辞退していた米子松蔭と境との2回戦。両軍無得点の4回2死三塁から、境・梶谷欧緒介内野手(3年)が、中堅越え適時三塁打を放ち先制すると、6回には境・高塚大輔投手(3年)が、1死二塁から左前へ適時打を放ち、さらに1点を追加し、試合の主導権を握った。しかし米子松蔭が、最終回に意地をみせた。

米子松蔭は、17日未明に同校関係者が新型コロナの感染が発覚した影響で、大会の出場辞退を強いられ、同日に予定されていた2回戦は境の不戦勝となっていた。そこから米子松蔭・西村虎之助主将(3年)がツイッターで18日昼に「僕たちは夏の大会に向けて、甲子園目指して、必死に練習してきました。何とか出場する道を模索していただけませんか?」と訴えたツイートが瞬く間に拡散され、各界著名人がリツイートなどで反応。鳥取県高野連が異例の対応を取り、不戦敗取り消しに至った。

SNSで勇気ある声を上げた米子松蔭・西村主将は、第1、2打席と左飛、第3打席は一直、第4打席は四球、第5打席は見逃し三振と4打数無安打だった。