横浜が2季連続コールド負けを喫した県大会準決勝の舞台。マウンドに上がったのは背番号「5」、宮田知弥投手(3年)だった。3回戦の鎌倉学園戦以来、2度目の先発。「バックを信じて丁寧に投げよう」とスライダー、チェンジアップを低めに集め、4回途中1失点にまとめた。

「春まではサポートしようとやってきましたが、今は(投手陣)全員がエースという気持ちで投げています」。今春まで背番号「1」だった148キロ左腕・金井の不調が続く中で、今夏から「1」を背負う山田らとともに意識を改めた。技術面では、春の大会後から「球威で押せるタイプではないので制球だけはしっかりしよう」と、ホームベースに置いた球にマウンドから当てる投球練習を反復。楽天涌井やBC栃木の成瀬ら、同校OBも取り組んだ伝統の練習の成果もあり、ストライク先行の投球ができるようになった。

村田浩明監督(35)も「チームの体質や練習への取り組み方、学校生活、そういった部分で宮田が率先して変えてくれた」と信頼を置く。打っても2安打2打点。5番打者の仕事も果たし、18年以来の夏の甲子園出場へ王手をかけた。「一戦必勝でやってきたので、気持ちの面は変わらないように。(決勝も)いつも通り臨みたい」。19度目の夏の聖地へ、油断はない。【勝部晃多】