智弁和歌山が幸先よく先制した。1回1死二塁で角井翔一朗外野手(3年)が近江(滋賀)の先発、山田陽翔外野手(2年)の内角速球を巧みにとらえ、ライナーで右翼線適時二塁打を放った。さらに岡西佑弥内野手(2年)の中前適時打で加点。2点を先制した。

前日27日は大阪・堺市内のグラウンドで調整した。ノックでは連係プレーも確認。元阪神、楽天、巨人の中谷仁監督(42)は「僕も含めて自信を持てないチームだったのが、1戦1戦、戦うにつれて自信を持って試合に入っていけるようになっている」と手応えを口にする。今夏の和歌山大会決勝では今秋ドラフト上位候補の市和歌山・小園健太投手(3年)を撃破した。今大会は初戦の宮崎商戦を不戦勝で、高松商(香川)と石見智翠館(島根)を下して、勝ち上がってきた。

近江とは18年夏の甲子園1回戦で敗れて以来の試合だ。指揮官は「相手の投手陣は高校生ではなかなか打ち崩すのは容易ではない。真っすぐも強い球を投げる。数少ないチャンスをものにできるようにみんなで準備したい」と警戒した。宮坂厚希主将(3年)も「ウチは投手のレベルが高いので、そのなかで『野手は1試合5点以上取ろう。投手は3失点以内』それを新チームになってから全体で言い合ってきた」と気合十分だった。

00年以来、21年ぶり3度目の夏の甲子園優勝に向けて、まずは好スタートを切った。