第94回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の選考委員会が28日、大阪市内で開かれた。東北勢から3校が選出され、21世紀枠東北地区推薦校の只見(福島)が、春夏通じて初の甲子園出場を決めた。組み合わせ抽選会は3月4日に行われる。

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雪が降る奥会津に吉報が届いた。21世紀枠では東北地区推薦校の只見が春夏通じて初の甲子園出場を決めた。日本有数の豪雪地帯というハンディに負けず、昨秋は創部初の県8強入り。同枠の県勢選出は20年の磐城以来、2年ぶり4度目だ。吉津塁主将(2年)は「自分たちの取り組みを評価していただいたので、うれしい気持ちでいっぱい」と笑顔を見せた。

午後3時6分。緊張感が漂う校長室に電話が鳴り響いた。カメラのフラッシュが照らす中、電話を受けた伊藤勝宏校長は「謹んでお受けいたします」と言葉に力を込めた。直後に体育館で出場決定を知らされた部員たちは安堵(あんど)した。就任20年目の長谷川清之監督(55)は学法石川3年時以来となる聖地に向けて「基本から教わったことを忠実に披露できれば」と選手に期待を寄せた。

発表前の願いが届いた。年明け初練習の4日、同町内の神社で部員ら約20人が初詣をした。吉津は「21世紀枠で選ばれるようにと、夏の甲子園出場の2つをお願いしました」。1つ目の願いが実現し「甲子園では自分たちのモットーである全力疾走を徹底して見ている人に元気を与えられるプレーをしたい」。部員は15人(マネジャー2人)。心を1つに1勝をつかむ。【相沢孔志】

<センバツ特別枠>

◆21世紀枠 01年から導入。推薦校は原則として秋季都道府県大会のベスト16以上(加盟129校以上はベスト32以上)から選ぶ。練習環境のハンディ克服、地域への貢献など野球の実力以外の要素も選考条件に加える。07年まで2校、08年から3校を選出(85回記念大会の13年と、明治神宮大会中止に伴い神宮大会枠がなかった昨年は4校)。東日本、西日本から1校ずつ、残り1校は地域を限定せずに選ぶ。

◆神宮大会枠 03年導入。明治神宮大会優勝校が所属する地区に出場枠1を割り当てる。今回は大阪桐蔭が優勝し、近畿地区に1枠をもたらした。