17年ぶりの優勝を狙った静清の挑戦は、完敗で幕を閉じた。エース久保陸弥(3年)は初回に適時打で先制され、2回にも追加点を許した。5回1死二塁の場面で無念の降板。2番手の笹ケ瀬翔大(3年)には「ごめん」と謝った。計4投手で継投するも、8失点で反撃も1点止まり。久保は「こうなったのは僕の責任」と悔し涙を流した。

気力だけで投げていた。静岡商との準々決勝後に右ひじの違和感を訴え、準決勝と決勝はテーピングをして強行出場。「古傷」をかかえている右ひざの痛みも限界だった。中学3年時にひざの骨が2つ以上に分かれている「分裂膝蓋(しつがい)骨」と診断された。高校では「痛みと付き合いながらやってきた」というが、踏ん張るのも精いっぱいだった。

来月10日に右ひざを手術し、完治を目指すという。「大学で頑張って、将来プロになりたい」。甲子園出場の夢は後輩に託し、晴れやかな表情で会場を後にした。【神谷亮磨】