センバツ最多5度目のVへ、大阪桐蔭が4年連続14回目の出場を決めた。昨秋に明治神宮大会を連覇し、堂々の優勝筆頭候補。史上4度目のセンバツ連覇を果たせば、東邦(愛知)に並ぶ最多5度目の春の戴冠となる。高校NO・1左腕のエース前田悠伍投手(2年)は「決勝戦まで残って、最終的に優勝できるところまで行きたい」と宣言。各地区のスラッガーの挑戦を受けて立つ。

全国のスラッガーが、前田に挑む春になる。あらゆる挑戦を、エース前田ははね返す。

「『対前田』といったこともわかっていますし、そういった相手、チームに対しては気持ちでまさっていくしかない。対策をされてきた中でも抑えないと、チームは負けます。チームを勝たせるピッチングをしないといけない。向こうは絶対に大阪桐蔭を倒すという強い気持ちで来ると思うので、それ以上に負けないという気持ちで挑めたら」。

甲子園を語る前田の言葉に、迷いはなかった。

すでに明治神宮大会を制し、春夏甲子園、国体の頂点へ。大黒柱は前田だ。左腕が投げる映像を見たプロの一流打者が「この投手の攻略は、難しい」とため息をつく。西谷浩一監督(53)は「最終的に歴代NO・1の投手になる可能性がある。勝つ(という実績)なら藤浪がいるし、昔なら沢村賞の今中さんもいるが、そういうところに名前が挙がるようになってほしい」と望む。

試練も乗り越えた。秋の府予選決勝・履正社戦で体が動きすぎ、右脇腹を痛めた。近畿大会以降の登板回避も検討された。だが前田は「投げます」と引かなかった。近畿大会準々決勝・彦根総合(滋賀)戦は立ち上がりの押し出しで苦戦。明治神宮大会準決勝・仙台育英(宮城)戦は10四死球161球完投。本来の投球とは違っても「チームを勝たせることができた」。苦闘も自信になった。

例年ならミーティングで終えるセンバツ発表日。ナインはグラウンドに向かった。最強のチームを作り上げる。その中心に、前田がいる。【堀まどか】

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