珍しいプレーが最終回に起きた。

2点ビハインドの大分商攻撃の9回1死一、二塁、大分商の打者がレフトへ飛球を放った。左翼手がキャッチして2死。その際に一塁走者が二塁を回っていたため、本来は二塁ベースを踏んでから一塁に戻らないといけなかったが、二塁を踏まずに一塁へ帰塁。二塁審判がアウトをコールして3アウトでゲームセットとなった。しかし、作新学院は二塁に触塁していなかったため、審判団が集まり2死一、二塁でプレーを再開。プレー再開直後に作新学院側が初めて二塁を触塁し、正式にアウトが認められてゲームセットとなった。

球審野口は場内アナウンスで「一塁ランナーの帰塁の際、二塁ベースを踏まずに一塁ベースに戻ったとアピールがありました。正式にアピールがある前に二塁アンパイアがアウトを宣告しました。大変申し訳ございません。ですので、あらたに再開した上で守備側がアピールし、アウトといたします。以上です」と説明し、謝罪。審判が守備側のアピールプレーをする前にアウトをコールしたため混乱が生じた。

一塁走者の江口飛勇(ひゆう)外野手(3年)は試合後、「相手にプレッシャーをかけようと、次の塁を狙ったのが裏目に出た。二塁走者は追い越してない。ベースを踏んでなくてアウトになった。周りの雰囲気がおかしかったので、何かあったのかな、と。頭の中がパニックになった。自分の判断ミスでチームに迷惑をかけた」と肩を落とした。

大分商は2点差に詰め寄った直後の場面だっただけに、痛いプレーで初戦敗退となった。

◆プロでも 21年のプロ野球でも同じようなアピールプレーで試合終了があった。8月20日の日本ハム-楽天戦(札幌ドーム)で9回裏、日本ハムは1死から代打R・ロドリゲスが中前安打で出塁し、代走杉谷が起用された。代打の郡が左飛に倒れると、二塁を回っていた杉谷は一度踏んだ二塁ベースを踏まずに一塁へ帰塁し、アピールプレーでアウトに。リプレー検証でも判定は変わらず、3-3の引き分けでゲームセットとなった。

【センバツ】「頭の中がパニック…」大分商・江口飛勇、二塁踏み忘れ帰塁 アピールプレーで併殺