第95回選抜高校野球大会(甲子園)は26日、雨天順延となり、仙台育英(宮城)は28日、第4試合で龍谷大平安(京都)と対戦する。湯浅桜翼(おうすけ)内野手(2年)は初戦の慶応(神奈川)戦に「5番三塁」で出場し、4打数無安打。終盤は走塁ミスもあり、苦い甲子園デビューとなったが、8強入りをかけた一戦で実力を存分に発揮する。

甲子園のミスは甲子園で挽回する。「個人としての結果は全然ダメで、最後のプレーもふがいない」と振り返った慶応戦。1点取れば初戦突破が決まる延長10回1死満塁。三走湯浅は左翼への打球判断を誤って本塁で封殺。その後、山田脩也主将(3年)の一打でサヨナラ勝ちを収めたが「ふがいない自分に感情が出た」と涙があふれたという。

チームの次世代を担う。昨秋の県大会初戦後、須江航監督(39)は「湯浅は小さいのにバットもすごく振れるし、試合中の対応力も良い。この秋のキーマンになると思います」。期待が寄せられる中、公式戦全11試合に出場し、勝負強い打撃で打率3割5分5厘、チーム最多11打点をマーク。堅守を売りにするチームで無失策と、攻守でしっかり結果を残した。

頼れる先輩のおかげで、初めてのセンバツはまだ終わらない。「あれ以上のミスはこれから先ないと思う。楽に物事を考えて、秋と同じように活躍できるようにやりたい」と湯浅。桜が開花した3月下旬。多くの人たちの笑顔を咲かせるため、目の前の一戦を全力で戦う。【相沢孔志】