明秀学園日立(茨城)の留学生トリオが最後の夏を迎える。台湾から22年春に来日した洪雋熙(こう・じゅんし)外野手、陽柏翔(よう・ぼうしゃ)内野手、顔宇廷(いぇん・ゆてぃん)内野手の3年生トリオだ。主力として昨年の初出場に続き、2年連続夏の甲子園をたぐり寄せる。
3人は昨年春、明秀学園日立に転入した。本来は1年春から入学予定だったが、新型コロナウイルスの影響で来日が1年ほど遅れた。金沢成奉監督(56)が「3人とも、もう1年早く来ていればと思うことがある」と話すようにポテンシャルは高く、今ではチームの主力として打線の中軸を担う。
来日当初は、日本野球に慣れるまで時間を要した。努力家と仲間からの信頼が厚い洪は「守備の細かい決まり事やカバリングが多い」と戸惑いからのスタート。長打力が武器の顔は「あいさつや礼儀の部分で苦戦した」とカルチャーショックを受けた。
そんな3人を手助けしたのは、仲間たちの存在だった。強化練習後の寮での入浴で、野球談議をしたり、歌を歌ったりとコミュニケーションを深め、チームに打ち解けていった。今では後輩と仲の良い陽を筆頭に、チームのムードメーカーにもなっている。
初戦は7月10日、ノーブルホームスタジアム水戸で水戸啓明と対戦する。台湾トリオはそろって「仲間たちと甲子園に行きたいです」と、日本語で意気込みを口にした。覚悟を持って故郷を離れた集大成をこの夏、全力プレーで表現する。【村山玄】

