<高校野球奈良大会:法隆寺国際8-1西大和学園>◇1回戦◇8日◇佐藤薬品スタジアム
高校野球のドラマは、勝った者にだけ生まれているわけではない。日刊スポーツでは今夏、随時連載「君がらんまん」で、勝者だけでなく敗者にもスポットを当てた物語をお届けする。
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全国屈指の東大合格者数を誇る進学校、西大和学園は法隆寺国際に完敗し、“2年生の最後の夏”が終わった。3点を追う4回1死から、財前亮佑投手(2年)が放った二塁打を口火に、1点をかえすのが精いっぱい。7回コールドで敗れた。
ベンチ入りは全員が1、2年生。勉強に専念するため、学校の規則で全ての部活動は2年生で引退する。3年夏は全員、受験勉強1本で、野球部の主将は5年連続で東大に合格中。現主将の若林航太内野手(2年)も東大志望だ。
練習は週3回だけ。限られた時間を有効活用するため、グラウンド内は歩かずに走る約束ごとを徹底している。昨秋からは授業前の午前7時半から45分間の朝練を導入。それぞれが創意工夫して「野球時間」を作り出してきた。
奈良大会の抽選会後は、法隆寺国際の映像を見て打球方向などを分析。蓄えたデータを元に、この日も細かく守備位置を変えた。若林は「格上の相手に胸を借りるつもりで、全力で当たっていけた」と力を出し切り、すがすがしく言った。
秋の奈良大会で2年生は引退を迎える。西大和学園中学時代から5年間を共にする仲間と野球ができる時間はあと少し。「勝ち切って終わりたい」。文武両道ナインが集大成の秋に全力を尽くす。【村松万里子】

