明秀学園日立(茨城)が水戸商を8ー1で破り、2回戦突破を決めた。9回表、5-0としたところで飛び出した背番号18の台湾人留学生・洪雋熙(こう・じゅんし)外野手(3年)の3ランが、勝利を決定づけた。8回守備から途中出場し、初アーチ。「日本での公式戦初ヒットです」と笑った。「打った瞬間、行ったと思いました」と内角スライダーを捉えた会心の当たりだった。「バットを振り込むという基本的なことをやってきた結果です」。
日本にやって来たのは2年生になった昨年4月。当初は1年生の4月に来日予定だったが、新型コロナの影響で1年間、台湾での自主練習を余儀なくされた。
同校に入学後も苦労は絶えなかった。「日本は守備の位置取り、打撃の指示も細かい」と日本と台湾の野球スタイルの違いに苦戦した。食事面でも「日本の料理は味が薄いと感じていた」と苦笑いした。
寮の大浴場での裸の付き合いに助けられた。入浴中、仲間たちと野球談議をして日本野球を学んだ。「とにかくみんなが優しい。ありがたかった」としみじみと振り返る。取材では滑らかな日本語を披露し、他の留学生の通訳をするほど、語学の面でも成長した。
試合当日の朝、遠く離れた故郷の父俊龍さん(46)から「出番は必ずやってくる。頑張ろう」とエールが届いたとうれしそうに明かした。「スタメンで出られても出られなくてもやることは変わらない。自分の出番が来たら打つだけです」。台湾人留学生の一振りが、2年連続の甲子園へとつながっていく。【村山玄】

