春の近畿王者、智弁学園は16安打14得点で5回コールド発進だ。
15日、兄弟校の智弁和歌山が高野山に敗れる姿をテレビで見ていたナインは、気を引き締めて初戦に臨んだ。
初回、先頭の松本大輝外野手(3年)が右前打を放つと、犠打に敵失が絡んで無死二、三塁。3番中山優月内野手(3年)と4番山崎漣音(れん)内野手(3年)の連続犠飛でこの回2点を先制した。4回には1番松本から6連打などで一挙6得点。さらに、4回に5番池下春道内野手(3年)の2ラン、5回には中山のソロ本塁打が飛び出し、香芝を圧倒した。
投げては先発の青山輝市投手(2年)が3回無失点と力投。4回は田中謙心投手(1年)、5回は楢林勇生投手(1年)が登板し、下級生投手陣が無失点継投で試合を作った。
小坂将商監督(45)は「初戦の入り方が一番難しいと思う。そこを3年生中心にしっかりやってくれたのでよかった」とたたえた。
高校通算12号を含む、2安打3打点と活躍した中山は「1、2打席目は打ちたい気持ちが強くて前に突っ込んでしまった。3打席目にセンターに返すイメージで行ったら入ってくれました」と振り返る。
中山は「憧れの先輩」の活躍に刺激を受けている。21年夏の甲子園準Vで、2学年上の先輩、阪神前川右京(20)だ。大会前後や誕生日にメッセージをくれるという優しい先輩。「(阪神の試合に)出ている時はみんなで食堂に集まって見てます。やっぱり打てば盛り上がる」と笑みがはじけた。今では3番打者で、投げれば最速146キロ右腕という投打の二刀流で活躍する中山だが、1年夏の甲子園はベンチ外。メンバー発表後、悔しい思いが残る中山に当時3年生の前川は「がんばれよ」と声をかけてくれた。憧れの先輩の言葉を胸に練習に励んできた。最後の夏は自らの活躍で先輩以来、2年ぶりの聖地へ。「先発でも中継ぎでも抑えでも、チームがしんどいときに投げるのが自分。バッティングも振る量を増やしてきた」と、準備は万全だ。投打ともに盤石な智弁学園が全国制覇へ好スタートを切った。

