巨人先発田中将大投手(37)が黒田博樹氏に並び、歴代2位となる日米通算203勝目を挙げた。
初回、1死から3連打を許し満塁のピンチを招いたが、阪神大山、小幡を140キロ台後半の力強い直球で、投ゴロ、空振り三振に切った。その後も要所で踏ん張り、5回1/3を3失点。104球を投じ8安打4四球、移籍後最多の8三振を奪い、粘りきった。
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昨年の入団から復活への道を歩んできた久保コーチがこの春、田中将を「抜けた人」と評していた。
「選手をやっていれば必ず苦しい時期もくる。『うまくなりたい』『こんな所で死んでたまるか』。そうやって抜けていった」。1軍登板1試合に終わった24年。オフに楽天から巨人に入団した。思わず眉間にしわが寄るような日々に向き合った。年齢にとらわれず、純粋に向上を追い求め、いまがある。
いま、投手練習開始で後輩たちと円陣が組まれると、ひときわ明るい田中将がいる。「はい!」。名前が呼ばれると、まるで高校生のようにあえてハキハキ答える。逆に後輩に声をかけて、ツッコミを入れ、笑顔を引き出す。
久保コーチは目を細める。「抜けた人がどんな言葉を発せられるか。『そんな時期もある』『逃げるなよ』と言っていけると思うんです。球団としては財産ですよね」。その存在感は勝利以外にもチームに力を添える。
「将大さんが…」。不振にあえぎ、2軍でもがいてきた戸郷は、たびたびそう口にしていた。日米で培った比類なき経験値、そして苦しみを抜けた体験。37歳はいま、抜けた先の野球人生を背中で見せ続けている。【阿部健吾】



