熊本大会の決勝はシード東海大熊本星翔が、昨夏甲子園8強の九州学院を下し、5年ぶり3度目の優勝を飾った。相手エース対策が奏功して、昨夏準決勝で敗れたチームにリベンジ。2年春、東海大相模から転入した高校通算39本塁打を誇るプロ注目の1番打者百崎蒼生(あおい)内野手(3年)から注入された「勝者のメンタリティー」も力に変えた。
勝者のメンタリティーを知る百崎パワーに引っ張られ、東海大熊本星翔がリベンジを果たした。優勝の瞬間、百崎は無我夢中で歓喜の輪へ飛び込んだ。春夏通じ5度全国制覇の東海大相模から転入してまで、最後の夏に懸けた百崎は「周りの支えがパワーになりました。母にやったと伝えたい」。気持ちが高ぶり過ぎて、涙があふれた。
気迫で、昨夏甲子園で活躍した相手エース直江を攻略した。投手戦の様相も、打者一巡後の3回に均衡が破れた。1死満塁で3番渡嘉敷篤弘内野手(2年)が執念で107キロカーブを右前打して先制。さらに、4番新美元基外野手(3年)が142キロに力負けせず右前2点打。9回にダメ押しして、九州屈指の右腕から11安打5点を奪った。
直江対策で、140キロ設定のマシン打撃や、マウンドから3メートル前で投げる球を打ち込んだ成果。冬場の筋トレなどフィジカル強化のたまものでもあった。
百崎の影響も大きい。決勝は4打数1安打。だが、百崎は「気合の入れ方や試合の入り方、練習の話をすることもあります」といい、野仲義高監督(42)は「関東の日本一を目指す野球の雰囲気や考え方を彼なりに伝え、選手も受け入れていた」と効果を口にする。
百崎は東海大相模で1年秋から3番遊撃手のスーパールーキーだった。だが、方向性の違いから地元熊本での再出発を決意。日本高野連の規定により、編入後1年間は公式戦に出場できなかった。
この日西武、巨人など複数球団が集結。そんな頼れるリードオフマンの甲子園での目標は「相手に威圧感を与える打撃をしたい」。プロ注目の切り込み隊長の勢いにも乗り“火の国打線”で旋風を起こす。【菊川光一】
◆東海大熊本星翔(せいしょう) 1961年(昭36)東海大二高校として設立した私立校。12年から現校名へ変更。生徒数は1279人(女子493人)。野球部創部は61年で部員98人(マネジャー12人)。甲子園出場は春はなし、夏3度目。主な卒業生は「ONE PIECE」の作者、尾田栄一郎氏(漫画家)、女子プロゴルファーの上田桃子、古閑美保ら。所在地は熊本市東区渡鹿9の1の1。飯田良輔校長。
◆Vへの足跡◆
2回戦13-1鹿本
3回戦4-2千原台
準々決勝8-1秀岳館
準決勝6-2有明
決勝5-0九州学院

