第105回全国高校野球選手権記念大会が6日に開幕する。日刊スポーツ東北版では「甲子園、この選手に注目!」と題し、東北6県の注目選手を紹介する。第4回は花巻東(岩手)の最速147キロ右腕・小松龍一投手と制球力が持ち味の左腕・葛西陸投手(ともに2年)。高校通算140本塁打の佐々木麟太郎内野手(3年)が打線のキーマンだが、チームスローガン「岩手から日本一」を達成するためには、2年生コンビの快投が欠かせない。
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小松は花巻東投手陣の救世主として彗星(すいせい)のごとく現れた。最速147キロの直球にスライダー、カーブ、フォークを交えながら三振の山を築く「ドクターK」。来年のドラフト候補にも挙がる注目株だ。ただ、新チームが始動した昨秋はメンバー外。佐々木洋監督(48)も「秋は全く戦力として見ていなかった」と話すようにチーム内の序列は低かったが、一冬越えて急成長を遂げた。
「悔しい」「はい上がりたい」という思いが小松を変えた。昨秋までは力に頼る直球一辺倒のスタイルだったが、流石裕之部長(41)から配球のアドバイスを受けるなど変化球でかわす投球術を習得。「自分の中でいい感覚をつかみました」。今春からは中継ぎエースの地位を確立した。緩急をつけながら相手打線を封じていき、150キロ近い直球と90キロ台のカーブとの球速差は約50キロ。得点圏に走者を背負った場面で救援しても、三振で切り抜けられるのが持ち味だ。
今夏の岩手大会では無双した。チーム最多の3試合に登板し、計15回2/3を無失点、26奪三振。防御率0・00、奪三振率14・94と驚異的な成績を残した。4年ぶりの優勝を決めた決勝の盛岡三戦は公式戦初先発で初完封。「3年生を引退させてしまったらどうしよう」と不安もよぎったが、堂々の投球を披露し、被安打3で17奪三振の快投を演じた。甲子園では「チームのために全力で1球1球を投げたい」と意気込む。
今春からベンチ入りした小松とは対照的に、同学年の葛西は1年秋から花巻東投手陣の一角を担う。「3年生を甲子園に連れて行くことが使命」と今夏を迎え、準々決勝の盛岡誠桜戦では7回7奪三振1失点と好投。130キロ前後の直球とスライダーを軸に打たせて取り、「自分は試合をつくることを(佐々木)監督さんから言われている」。チーム内の貴重な左腕で制球力に定評があり、大崩れしないところが強みだ。
一方、詰めの甘さを課題にする。佐々木監督は「どちらかというと(葛西は)お調子者で2ストライクから打たれたり、甘くいったりとかはある」と評する。葛西自身もそれを自覚した上でコースにしっかり投げ込むことを意識。甲子園ではフル稼働するつもりだ。
右の小松と左の葛西-。2年生コンビのマウンド上でのパフォーマンスが、花巻東躍進のカギを握る。【山田愛斗】

