12日の第105回全国高校野球選手権大会(甲子園)2回戦で仙台育英(宮城)と聖光学院(福島)の昨夏準決勝カードが実現した。

両チームは9日、兵庫県内で調整。仙台育英は昨夏優勝メンバーの橋本航河外野手(3年)が、初戦の浦和学院(埼玉)戦で3安打3打点と好調。夏に強い“夏男”が持ち味の俊足巧打で初回からチームの勢いを加速させる。聖光学院は三好元気外野手(3年)が、昨夏の準決勝で2失策した反省を生かし、成長した姿を見せて昨夏の敗戦の借りを返す。

   ◇   ◇   ◇

試合開始直後から橋本が本領を発揮する。6日浦和学院戦は第1打席に左前打で今夏甲子園初安打。3回は尾形樹人捕手、湯田統真投手(ともに3年)の2者連続本塁打後に右前適時打。6回はダメ押しの2点中前適時打を放ち、19安打19得点の快勝に貢献した。「自分の最初の打席が大事と言われている中で、しっかり先頭で出塁できたのは良かった。甲子園はすごく楽しい」と振り返った。

夏男の安打が、打線に火をつける。東北勢初優勝の昨夏甲子園5試合は24打数12安打で打率5割。今夏宮城大会5試合は19打数10安打の5割2分6厘と打ちまくり、出塁後は50メートル走6秒0の走力で7盗塁を成功させ、相手投手にプレッシャーを与えた。大会屈指の好カードとなった甲子園初戦からバットで好調をアピール。「甲子園は自分的に(ボールが)見えやすい。打ちやすいイメージがある」と相性の良さを口にした。

聖光学院については「守りからリズムを作り、攻撃につなげるという感じの相手だと思うので、自分たちも守りで負けないようにやりたい」と警戒する。仙台育英は今夏6試合でいずれも先制。1度も逆転を許さずに勝利を積み上げた。「自分がしっかり第1打席で打って、チームに流れを引き寄せて日本一に貢献できたら」。勝利に近づく1点を先に奪うため、日本一を経験したリードオフマンが自分の役割を果たす。【相沢孔志】

○…深く脳裏に刻まれている。4-18と大敗した昨夏の準決勝。1回裏、自身の適時打で1点を先制したが、2回表に11失点。その内の3失点に三好の失策が絡んだ。無死一、三塁で悪送球、1死二塁では打球を後逸。聖光学院の三好元気外野手は「はっきりと覚えています。ノックを受けるときも、あのエラーはずっと記憶にあって…」と苦笑い。「点差はついたけど、最後まで1人1人がやり切れた良い試合。自分の中ではベストな試合だった」と胸を張るが、自身のプレーが招いた3失点は深く反省している。

「練習の時の1球を本当に意識して今までやってきた」。あのプレーから1球の重みを再認識した。ゴロ捕球の際には「いかにボールに速く行くか、いかに送球までの秒数を減らすか」と、今までは意識したことがなかったスピード感を重視。「スローイングにしても足運びにしても、すごくいい状態かなと思います」と成長を感じている。

相手は東北の歴史を塗り替えた昨夏覇者。だが、三好は「このチームでチャレンジャーとして戦える。本当に楽しみでしょうがない」と今からワクワクしている。「絶対的に相手の方が力はある。そこを覆すのが楽しみ」。強い気持ちで下馬評を覆してみせる。【濱本神威】