須磨翔風はエースの槙野遥斗投手(2年)が1失点完投で、同校を初の秋4強へ導いた。

槙野は今秋、地区大会から54イニングを投げ、自責は2。防御率0・33という驚異的な数字を残している。地区大会初戦から、県大会1回戦の市西宮戦(10日、ウインク)まで3試合連続完封。東洋大姫路との2回戦(17日、明石トーカロ)の2回まで、29イニング無失点と無双した。強力打線の東洋大姫路に5失点したが、味方の失策が絡み、自責は1。前回23日の神港学園戦も完封勝利を収め、準々決勝に駒を進めた。

この日は8回まで9安打を浴びた。1-1の4回には1死三塁のピンチを招いたが、2者連続三振で得点を与えず。最速140キロの伸びのある直球に、切れ味抜群のスライダーやカーブを織り交ぜ、9奪三振。要所をきっちりと抑えた。

2年春から背番号1を背負う身長182センチ右腕。「気持ちで抑えられる部分もある。チームの軸にならないといけない」と最上級生としての自覚が芽生え始めた。今夏5回戦で敗れて以降、バッテリーを組む西田修斗捕手(2年)とは話し合いを重ねた。そこで、より長いイニングを投げ切るため、特にカーブの使い方を議論。「直球とスライダーでいったら強豪では打たれることもあった。緩急差もコースも広く使って抑えることを話し合っています」と好投の要因を分析した。

中尾修監督(57)も「よく粘りました。ランナーが二塁に行ってからが強い」とたたえた。

1日の長田との準決勝で勝利すれば、来春センバツ出場の参考資料となる、近畿大会出場権を獲得する。槙野は「まずは1勝して、近畿大会に行って、その先が見えるように頑張りたい」と力強く意気込んだ。