さあ、100年を迎えるセンバツが始まる。
1924年(大13)の第1回大会から、ちょうど1世紀。第96回選抜高校野球大会は18日、甲子園で開幕する。前日17日には出場32校が同球場に集まり、開会式のリハーサルを行った。元日の能登半島地震で被災した日本航空石川は大会第6日、32校の最後に登場し常総学院(茨城)との1回戦に臨む。他校より多い待ち時間を生かし、万全の準備を目指す。
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雨が降り出す前にリハーサルは終わった。日本航空石川・宝田一慧主将(3年)は「本番が明日。実感が湧いてきて、引き締まる気持ちです。優勝を目指したい」と曇天とは対照的な、晴れやかな笑顔を見せた。
開会式の本番は翌日でも、試合本番はまだ6日も先。待ちくたびれないのか。「チームを完成させるため、時間は多くあると思う。プラスに捉えて頑張ってます」と前向きだった。9日に関西入りしてから、チームで早寝早起きを敢行。午後10時半には寝て早朝5時半に起きている。「朝起きて、だるさもあるけど、負けずに。試合までに慣れたら体も動くようになると思います」。午前9時のプレーボールを逆算する。
メンタル面の調整も怠らない。開会式を終えたら、そのまま球場に残って2試合を観戦予定。雰囲気を肌で感じ、闘争心も高まるはずだ。チームの仕上がり具合を、中村隆監督(39)は「1人1人が伸びてきている。80点はある」と言った。心身でピーキングできれば、プラス20点は近い。
宝田は忘れない。震災で山梨に拠点を移したチームを代表し、2月に学校がある輪島に戻った。「自分たちのことは気にせず、やれることをやってきてね」。野球部員と知った見ず知らずの地元の人たちに、そう声をかけられた。たくさんもらった励ましのうち、印象に残る1つを問われ、迷わず挙げた。「本当に苦しい思いをされてると思うんですけど、そういう人たちの言葉。一番、心に残りました」。17歳の春。やれることをやっているのには、理由がある。【古川真弥】

