相手のバットが空を切ると、エースの雄たけびが響いた。今大会から「背番号1」を背負う花巻東のサイド左腕・葛西陸投手(3年)が、盛岡誠桜打線から14奪三振。「1番はとても大事な背番号だと思う。恥じないようなプレーができた」。エースにふさわしい奪三振ショー。4安打無失点の8回完投でチームを勝利に導いた。
昨秋は県大会初戦で盛岡大付に6-7と惜敗。葛西も含む4投手で敗れた。葛西は昨年10月のかごしま国体では、履正社戦に先発し3回6安打3失点。「去年は苦しい場面で力んで思ったところに投げられなかった」。追い込んでから甘い球を投げてしまう弱さがあった。冬は「2ストライクから打たれないように、変化球を中心に投げ込んできました」。体重も昨秋の62、3キロから69キロまで増量。球速も上がった。この日は力みなく、しっかり捕手の構えたところに投げ込めた。佐々木洋監督(48)も「安心して見ていられますね。すごい成長を感じました」と新エースをたたえた。
25日の準決勝は水沢商と対戦。勝てば東北大会出場が決まる。葛西は「粘り強く1戦1戦勝ち進んで、個々の力を伸ばしていけるように」。夏に向け、昨秋得られなかった経験を積んでいく。【濱本神威】

