学校創立100周年を迎える石橋(栃木)が、同じ100周年を迎える甲子園球場で縦横無尽に駆け回り、夏初出場で初勝利を飾った。
県勢、県立高の甲子園勝利は02年の小山西以来。負けるわけにはいかない。入江祥太投手(3年)が投打に躍動した。夏の県大会から通して初先発に「最後まで投げきる」と、強い気持ちでマウンドに上がった。「ストライク先行を心がけた」。初回から130キロ台後半の直球とカーブ、スライダーでカウントを整え「イメージは横のスライダーのつもりで投げているが、実際にはタテに曲がっているのかも」という球で、奪った三振は11。6回には右足ふくらはぎがつり、ベンチで治療を受け「8割ダメかも…」と、関係者に状況を説明しながらも「最後まで投げる」と、再び奮い立たせ、9回まで4安打と投げきった。
23年センバツでは21世紀枠で出場も初戦敗退。初めて甲子園で歌う校歌に「目標だったので、気持ちよかったです」と、笑顔で汗を拭った。
入江には、負けられない理由があった。昨夏、夏の甲子園で全国制覇を果たした慶応・加藤右悟捕手(3年)と小宅雅己投手(3年)とは「県央宇都宮ボーイズ」のチームメートで、ともに中3時に全国制覇も果たした大親友。昨夏、テレビ観戦しながら「すごいなーって思って見ていました。ずっと中学で一緒にやってきた仲間として負けられない。そんな気持ちも芽生えました」。とくに参考にしたのはピンチでも常に平常心で投げてる姿だった。右肘を痛め、リハビリ中だったがケガをしない体作りに取り組み、6月に復帰してからは一からフォームを見直し。「軸足の使い方、胸椎にしなりが出るように投げるよう試行錯誤しました」。キレのある投球を手に入れた。
初戦突破も優勝した加藤、小宅に追い付くには、まだ先がある。「あいつらはまだ上をいっているので(夏の全国制覇)。自分も絶対負けてらんない。あいつらに並べるように。頑張りたい」。今夏、全国制覇で肩を並べ、慶大進学で再び一緒にプレーするのが目標だ。
一塁側のアルプス席には全校応援にOB、保護者、関係者2800人の大応援団が詰めかけ、選手たちに大きな声援をおくった。入江は「僕らは石橋の名前を背負って戦ってる。自分たちの代で歴史を作れたことは非常に光栄に思います」と、元気よく校歌を歌い上げると「いや、もうめちゃくちゃ楽しかったです」。笑顔がひときわ輝いた。【保坂淑子】
◆石橋 1924年(大13)創立の公立校。生徒数は716人(女子339人)。野球部は35年創部。部員56人。県内有数の進学校として23年センバツに21世紀枠で初出場した。卒業生に小説家でタレントの室井佑月、NHKの大沢幸広アナウンサーら。所在地は栃木県下野市石橋845。新井聡校長。

