バントは「桜美林スクイーズ」にお任せあれ!!
昨夏8強の桜美林は3得点すべてがスクイズと試合巧者ぶりを見せつけた。まずは、2回1死二、三塁。津野裕幸監督(54)は「走者が三塁に行ったら、とにかく点を取る」と勝野雅己外野手(3年)にスクイズのサインを出した。
バント成功の自信はなかったという勝野。しかし、「失敗したら、監督のせいだ」と強気に出た。1ストライクからの2球目にバットを寝かせ、相手左腕の前へボールを転がす。三塁走者の村中絢斗捕手(3年)を本塁に迎え入れて貴重な先制点をもぎ取った。
さらに得点を絞り出した。今度は4回1死一、三塁から福島悠司内野手(3年)が相手一塁のバント警戒の遅さを見抜き、セーフティースクイズ(記録は適時内野安打)。5回は主砲村中もバットを横にし、1試合で3人がスクイズを成功させた。
フリー打撃中でも「全員が最初だったり、打撃の途中でも試合を想定してバント練習をする」(福島)桜美林ナイン。特に面白いのが「バントキャッチボール」と呼ばれるメニューだ。
2人1組で3メートルほどの距離でバドミントンのようなラリーを繰り返すもので、ワンバウンドさせるのはルール違反だという。一見、遊びのようだが、「膝を使いながら、ボールとバットの間に目線を入れる」と村中が説明するようにバントに必要な感覚を養う明確な目的がある。
甲子園出場歴のあるOBから教わったメニューといい、当初は「3回いったらいい方だった」村中だが、今では「20回はできる」
02年以来の夏の甲子園を目指す桜美林。次戦へ、指揮官が「今度はヒッティングも使って」と注文すると、4番村中もこう応えた。
「帰ったら練習します」
確実な小技と圧倒的な強打がかみ合えば、今夏はライバル校にとって脅威となるだろう。【泉光太郎】

