<全国高校野球選手権:日大山形3-6県岐阜商>◇11日◇1回戦

夏の地方大会から本紙高校野球面で掲載してきた、敗れたチームにあるドラマにスポットをあてた企画「真夏のライラック」。今回は「東北特別版」として全6回に分けて連載する。第4回は日大山形(山形)・児玉寛大投手(2年)。

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日大山形は4強入りした県岐阜商に初戦で敗れた。敗戦の涙も落ち着きつつあった選手の中で、座り込む姿があった。3番手で登板した児玉だった。「任せられたからには、とにかく全力で抑えたい」。ふわりと上がった打球に頭から飛びつくなど、がむしゃらさが光った。逆転を信じ、1回2/3を無失点と最後まで粘るも、願いは届かなかった。

1年春からベンチ入り。誰よりも近くで大きな背中を見てきた。昨年はたどり着けなかった甲子園。「大好きな3年生とこの舞台に来られてうれしかったです」。先輩からは「お前は頑張った」と励まされた。これまでも、その言葉に何度も救われてきた。根を上げそうになった冬場の練習も、先輩らが励ましてくれたおかげで乗り越えられた。泣いてはいられない。「次は自分が引っ張って、チームから信頼されるピッチャーになりたいです」。大好きな先輩の思いも背負い、歩き出した。【木村有優】