甲子園の夏を制覇した名将、東洋大姫路(兵庫)・岡田龍生監督(64)にとっても、8回の花咲徳栄(埼玉)の攻撃は意表を突かれるものだった。
8回1死満塁から押し出し死球で花咲徳栄に追いつかれ、なおも満塁。2番・鈴木琢磨外野手(3年)の1ストライクからの2球目で、初球の前進守備から内野を後ろに下げた。「芯に当たる確率が高いから。前にいる方がヒットゾーンに飛ぶなと。それだったら芯食って正面に行ってゲッツーとれる方が確率高いかなと」という読みだった。ただ花咲徳栄はランエンドヒットを仕掛け、鈴木の遊ゴロの間に三塁走者の勝ち越しのホームインに続いて二塁走者もホームを踏み、リードを2点に広げた。
二塁走者の生還について、岡田監督は「どういうあれだったのか。三塁コーチャーの判断がよかったのか。ランナーはたぶん、抜けたのかどうかは見えなかったと思うので。だからショートが捕ってファーストというところで、一気に回っていたんでしょうね。躊躇してたら回っていない。あのへんの練習もされているのか」と振り返った。
「サードランナーはスタートを切ってなかった。セカンドランナーは切ってました。サードランナーだけは、危ないから(スタート)切らなくていいっていうのはありますけどね。あれはすごいサイン」と勝敗を分けた場面を分析した。
◆両校の前回対戦 03年春の準々決勝で東洋大姫路はベトナム国籍の左腕グエン・トラン・フォク・アン、花咲徳栄は福本真史がともに当時の規定上限となる延長15回を2失点で完投して引き分け。アン191球、福本220球だった。翌日の再試合も延長戦になり、アンと福本は救援登板。10回裏に3番手福本がサヨナラ暴投で力尽き、東洋大姫路が6-5で4強入りした。
◆引き分け再試合の雪辱 花咲徳栄は03年春に引き分け再試合となった東洋大姫路戦で敗れていた。甲子園の引き分け再試合は過去24度あり(16度、夏8度)、同じカードの再現は37年春の岐阜商5-2愛知商、11年夏の作新学院6-3八幡商に次いで3度目。再現試合で雪辱したのは花咲徳栄が初めて。

