21世紀枠で初出場した高知農の下坂充洋監督(33)は甲子園での采配を、目いっぱい楽しんだ。東農大の同期や先輩が阪神に入団し、プレーしていたのを見ていた。同じ景色をようやく体感できた。
部員数減少に悩み、21年夏に8人の3年生が引退後、3人で再始動。指揮官は連合チームをへて、23年から再び単独出場にこぎつけた苦労人だ。
大学の同期は阪神、日本ハムでプレーした谷川昌希(33=現阪神打撃投手)。また2年先輩で阪神・西武でプレーした陽川尚将(34=阪神アカデミーコーチ)とは在学時に1年弱、2人部屋の同部屋で生活した。出場決定に際し、祝福メッセージも受け取っていた。「陽川さんが入団してから阪神ファンになりました(笑い)。陽川さんや谷川の頑張りを見て、自分も頑張れることが多かった」。
試合中はベンチの前列から立ち上がって戦況を見つめ、「幸せでした。皆さんが見ている景色は、『こういう景色なんだ』と。だからこそ、感謝しなくちゃいけないと今日の試合で思いました」。いきいきとした表情で、球場を後にした。
◆21世紀枠が姿消す 長崎西に続き高知農が初戦敗退。21世紀枠同士の対戦を除くと、同枠は15年の3番目に登場した豊橋工から数えて初戦で25連敗。

