春の菰田劇場が幕を開けた。山梨学院・投打二刀流の菰田陽生投手(3年)は「2番一塁」でスタメン出場し、初回に貴重な先制アーチを含む2安打、1打点と打線をけん引した。
初回1死から長崎日大・古賀友樹投手(3年)の投じた初球の高めに浮いた変化球を引っ張った。高々と上がった打球は切れることなく左翼席に到達。大会第3号となる先制点をもたらし、右手を高々と突き上げ1周した。千両役者が早くもやってのけた。
初戦はどうしても重苦しくなる。百戦錬磨の強豪校ですら本来の力を出せずに大会を去ることもあるが、どうやらこの男は違うようだ。チームの精神的支柱の大仕事に押され、山梨学院はこの回に一挙5得点。息を吐く暇も与えず、長崎日大に襲いかかった。
5回の守備時に打者走者と交錯。治療を受けた後にはプレーを再開したが、6回裏の守備から交代。それでもベンチから仲間を鼓舞し続けた。終盤に点差を詰められたが、なんとか逃げ切り。春の甲子園初戦の勝利を見届けた。
◆菰田陽生(こもだ・はるき)2008年(平20)12月21日生まれ、千葉・御宿町出身。御宿小1年で野球を始め、九十九里リトルリーグでは全国V。御宿中時代は千葉西シニアでプレー。山梨学院では1年春からベンチ入り。最速152キロ。高校通算36本塁打。50メートル走6秒2。194センチ、102キロ。右投げ右打ち。
▽巨人水野編成本部長 いいバッティングでしたね。とにかくスケールが大きい。スケール感はずばぬけている。投打ともにじっくりと見ていきます。
▽阪神吉野スカウト あんだけ飛ばせるところは魅力ある。そこに尽きるかなと思う。甲子園で放り込むって難しいと思うので、こういう大舞台で打ったのはやっぱり価値があるかなと思います。
▽広島田村スカウト部長 打撃は昨秋からずっといいものを見せてくれている。最近ではなかなか甲子園で見ることがなかった、すごいホームランでした。大舞台で打つことにも華を感じます。
▽西武・秋元スカウト・育成統括ディレクター いきなりひと振り目ですからね。2本目のレフト前も打球の速さが際立っていた。あのサイズ感であれだけの身のこなし。本当に、すごいなというひと言です。

