大阪桐蔭が甲子園では学校初のタイブレークで三重を下した。

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大阪桐蔭の甲子園春夏通算80勝目は、タイブレークで1点差を守り切った。8回2死からリリーフし、無失点で締めた小川蒼介投手(3年)はほえた。「ストレートが良かった。気持ちが入っていて気持ちが高ぶった」。苦しみながらも2年ぶり8強進出を決めた。

6-5の延長10回無死一、二塁。守備シフトが勝敗を分けた。小川が投球モーションに入ると同時に一、三塁手が猛チャージ。遊撃手は二塁けん制に行くと見せかけて三塁ベースへ。二塁手は一塁ベースへと走った。相手の4番打者のバントは三塁黒川の正面へ転がり、ベースカバーに入った遊撃手へ送り三塁封殺。1死一、二塁となり、連続三振で逃げ切った。

ドジャースの戦法でも知られる守備シフト「ブルドッグ」。センターライン中心に内野ががら空きになるためハイリスクだが、1点も与えたくない場面で仕掛ける。小川は「バントをさせて(三塁で)刺しにいく気持ちで投げていました」。イチかバチかで狙い通りピンチ拡大を防いだ。

背番号14の小川も初の大舞台で強心臓ぶりを発揮。1死一、二塁からは自己最速タイ147キロをマークするなど、連続三振で締めた。「タイブレークに入ったらこっちのものだというイメージでみんな練習からやってきた。やるだけでした」と胸を張った。

小川はタイブレークの場面や終盤の競った場面での起用がほとんど。あえてタイブレークを組み込んだ今春の練習試合では「9割くらい僕が投げていた」と経験値を高めた。昨夏大阪大会決勝ではタイブレークで敗れ、対策の重要性を再認識。西谷浩一監督(56)は「いろいろと練習はしていた。しっかりとやってくれました」とたたえた。

聖地80勝に到達し、歴代5位タイに浮上。西谷監督は「今日も1つ間違っていたら負けていた。天国と地獄。いい勉強になりました」と引き締めた。百戦錬磨の強豪校が「準備力」で1勝をもぎ取った。【林亮佑】

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