<高校野球大阪大会:大阪桐蔭10-0大商大高>◇30日◇準々決勝

 元エースの強烈なアピールだった。大阪桐蔭・背番号10の中野悠佑(ゆう=3年)が5回4安打0封。「甲子園では1番を取り返す。そのつもりでいます」と気迫を80球に込め、4強を決めた。

 前日29日の投球練習。準々決勝への緊張感でバランスを崩した。不安なまま終わるのがいやで予定の3倍以上、100球を投げ込んだが、この日の試合前はまた調子が悪かった。立ち上がり、先頭打者に左翼線二塁打を打たれた。逆に「打たれたのは真ん中のスライダー。これなら修正できる」と切り替え、低めを意識。5回2死満塁も「走者を出してからどれだけ粘れるかが大事」と力を試した。

 腰痛、右肩痛で、最後の夏は2年の藤浪晋太郎に1番を譲った。このままでは終わらない。「ナニワのダルビッシュ」こと藤浪と「桐蔭のゆうちゃん」が力を合わせ、最強の敵、履正社戦に向かう。【堀まどか】