悩めるキャプテンが、フルスイングで活路を見いだした。第95回全国高校野球選手権(8日開幕、甲子園)の南北海道代表、北照が2日、和歌山・有田川町で大阪入り前のミニキャンプを開始した。打撃に悩んでいた吉田雄人主将(3年)が全体練習後、河上敬也監督(54)の指示で特打を敢行。右翼へ6本の柵越えを放ち、復調へのきっかけをつかんだ。

 快音とともに、迷いも振り切った。南大会では打率4割2分9厘も「最近は、何か違うなと思っていた」と、しっくりきていなかった。この日の紅白戦でも3打数無安打。さえない表情を見かねた河上監督が、悩み解消の一手を打った。「当てにいっている。しっかり振り切れ」と身ぶり手ぶりの熱血指導。豪快なスイングを繰り返していくうちに、打球は外野フェンスを越えるようになった。

 練習を終えると、さわやかな笑顔がはじけた。「あんなに飛ぶんだ」と、フルスイングを続けたことで新たな発見もあった。センバツに2度出場も本塁打はゼロ。「甲子園でも、いけるんじゃないかって」。聖地初アーチへ色気が出てくるほど、大黒柱に自信がよみがえった。【木下大輔】