<全国高校野球選手権:甲子園練習>◇4日

 春の借りは夏に倍返しだ!

 第95回全国高校野球選手権(8日開幕)の南北海道代表・北照が、甲子園練習に臨んだ。沢田拓海左翼手(3年)は、最後の大舞台を前に決意を新たにした。「これで引退。悔いのないように全力で」。今年のセンバツでは、痛恨の2失策を犯した。失意のまま小樽へ帰ってから約4カ月。リベンジを期す聖地に戻ってきた。

 練習の冒頭、守備練習で定位置へ向かった。「春の苦い記憶がよみがえった」。センバツ準々決勝・浦和学院戦の7回裏の守備。1死一、二塁で左前打を処理しようとしたが、まさかの後逸で打者走者まで生還を許した。直後に交代。試合も0-10と大敗し、ミスを取り返すことは出来なかった。春季大会はベンチから外れた。雑用もこなした。つらい日々が続いたが、腐ることなくやってこられたのは「甲子園のミスは、甲子園でしか取り返せない」という強い気持ちがあったからだ。

 苦難を乗り越え、精神的にも強くなった。「ミスしたことは仕方がない。次に切り替えて、プラス思考で」と話す。この日も、しっかり外野グラウンドの芝の状態をチェック。春に比べ長めで全体的に荒れており、ゴロのイレギュラーなどを警戒した。今日5日に行われる組み合わせ抽選会で、いよいよ初戦の相手が決まる。「入学したころから、全国制覇が目標。そのチャンスが目の前に来た」。春の苦い記憶を、最後の夏に最高の思い出に塗り替える。【木下大輔】