<全国高校野球選手権:作新学院4-0熊本工>◇15日◇2回戦
“ミニラ”こと熊本工の1年生5番打者高木栄志外野手の初めての夏が終わった。9回2死一塁、高木は二ゴロに倒れ最後の打者になった。整列へ戻る表情は、悔しさで満ちあふれていた。
甲子園で強烈な印象を残した。0封負けしたチームの4安打のうち2本を高木が放った。4回、2死から高めのスライダーをとらえると、打球はあと1メートルで柵越えというバックスクリーン手前右まで飛んでいく三塁打。「うまく押し込めました。飛んだとは思ったけど、甲子園は広いですね」。7回には作新学院2番手朝山と1年生対決。内角低めの難しい直球を右前へ運んだ。
9日の初戦、鳥取城北戦は4打数1安打だった。泗水(しすい)中学時代の恩師、熊本大津シニアの池尻監督から父昭男さん(43)経由でメールが来た。アドバイス通りクローズだった構えをスクエアにし、自慢の長打力を披露した。「今日は余裕を持って打席に立てた。2安打は自信になります。でも、チームの力になっていない」と、敗戦の責任を感じていた。
中学3年だった昨年、全国4強。首位打者も獲得。練習試合では右中間に130メートル弾をたたき込んだこともある。熊本工入学1カ月後に5番に座った打撃技術は、泗水東小時代、熊本・合志市のバッティングセンターに通った成果だ。小4から打つのは最速の130キロ。昭男さんは「リトルリーグは距離が短いので速い球を見せようと。最初は25球のうち2、3球しかバットに当たりませんでしたね」。それでも、本人が納得するまで20回でも打席に立たせ続けたという。
「まだ1年生なので何度来られるか分からないけど、みんなを引っ張れる大きな選手になる。流し打ちでも本塁打が打てるように」。鍛え上げて、熊本大会決勝のような本塁打を甲子園で打つため、必ず戻ってくる。【石橋隆雄】

