<センバツ高校野球:南陽工2-1PL学園>◇28日◇2回戦

 大記録の前に立ちはだかったのは「津田2世」岩本輝投手(2年)だ。9回裏2死二塁、無安打投球を続けたPL学園・中野を打席に迎える。サヨナラなら屈辱的敗戦が決まる場面。「ノーヒットノーランとか考えなかった。0点で抑えることだけ」と集中した。カウント2-2から、外角低めのフォークで投ゴロに打ち取る。「炎のストッパー」と化して、しびれる場面を切った。

 「津田さんのような強気なピッチングを目標にしてます。2世と言われるのはありがたい」と笑った。130キロ台中盤の直球で内角を突き、左打者へフォーク、右打者へスライダーを低めに集めた。同学年の4番勧野は無安打に抑えた。

 選手は大会中、携帯電話を竹森部長に預ける。外部からの情報を遮断し、無心で強豪に向かった。延長10回、2番竹重が初安打を放つと、4安打で2得点。169球を投げた岩本は「これも通過点。PL戦をきっかけにして日本一になりたい」と力強く締めた。