<高校野球京都大会:西城陽36-0京都文教>◇9日◇2回戦

 今年4月創部の京都文教が強豪の西城陽に挑んだ。ぶっつけ本番の夏初戦は無安打で、0-36の完敗。京都大会の最多失点(35)、最大得点差(34)記録を塗り替え、4回の守備途中ではナインの疲労を心配した大会本部から給水タイムまでかかった。だが最後まで懸命のプレーで、全校応援に応えた。

 4回無死三塁の京都文教の守備中、内野に4審判が集まった。この回だけで16得点が記され、すでに守備時間は40分をオーバー。なんと小西克球審は両校ナインにベンチ引き上げを指示。給水タイムを取らせた。

 「二塁手の足がふらつき、センターの選手もうつむき加減になっていました」。異例の給水中断の理由を、京都府高野連の石川順久(のぶひさ)理事(49)はそう説明した。京都文教ナインにとって3分間の給水を含む2時間8分の試合は、過酷な長い夏だった。

 西城陽に先発全員四死球20を与え、先発全員盗塁34を許し、先発全員得点36を奪われた。36得点は、30年の京都一中の35点(対京都二商)を、36点差は99年の京都成章-京都韓国学園の34-0を上回り、夏の京都大会の記録になった。

 中高一貫教育で、母体は中学の軟式野球部。今年4月、ただ1人の硬式経験者の真砂利野(としや)をエースに1年生10人で硬式野球部を作った。練習試合は雨などでことごとく中止。ぶっつけ本番になった上、真砂が左足肉離れ、右すねの筋肉疲労を起こし、捕手の菊裕貴も右ひじを痛めた。それでも試合出場の9人は、最後まで必死で走り抜いた。35回走られたバッテリーだが、二盗を1回封じた。練習不足を理由に大会参加見送りも検討されたが、宮本修校長の「歴史の始まる瞬間を全校生徒に見せてやりたい」の考えで、創部直後の夏に第1歩をしるした。全校応援も支えた。

 真砂は「声が出なかったのが残念。そういうところから力をつけたい」。小野靖幸監督(35)は「彼らの悔し涙に可能性を見いだせました」と希望を込めた。試合後は学校で、練習を開始した。【堀まどか】