<高校野球京都大会:福知山成美8-2立命館宇治>◇22日◇決勝

 2年ぶりの甲子園切符をつかむと、マウンドの背番号9が激しくガッツポーズをつくった。福知山成美の左腕・植田がこの夏初完投。130キロ台の直球とスライダーを巧みに配し、立命館宇治に8安打を許しながら要所を締めて2失点に抑えた。「うれしい。みんなが打ってくれて楽になった」と喜んだ。

 準々決勝で背番号1の近藤均投手(3年)が右手中指を負傷するアクシデント。植田はベンチで見守るエースの分まで、145球を投げ抜いた。本職は外野手だが、今大会は投手としてもフル回転。先発3試合を含む5試合に登板し、2年ぶりの頂点に導いた。

 入学時は投手も、打撃力を生かすため昨秋に野手に転向した。8強入りした2年前の甲子園は背番号11でベンチ入りも出場機会はなし。「甲子園ではライトも守りたいし、投手もやりたい」と植田。マルチな才能を発揮して、目指すは先輩超えの4強進出だ。