<高校野球沖縄大会>◇3日◇2回戦

 春夏連覇へ好発進だ。3日、沖縄大会でセンバツ優勝の左腕、興南・島袋洋奨(ようすけ)投手(3年)が大会初登板。7安打完封で浦添に5-0で勝利し、3回戦に進出した。

 スコアボードにゼロを9個並べても、エース島袋に笑顔はなかった。「今日は良くなかった。60点です。コントロールも悪かったし直球も走らなかった」と不満げな表情を見せた。

 先発は4月3日の日大三とのセンバツ決勝戦以来。練習試合で完投することもなく夏に突入した。2回までは無安打に抑え上々の立ち上がりだったが、3回に初安打を許すと6回には2死満塁のピンチを迎えた。後半は得点圏へ走者を進めながらも要所を抑えてホームを踏ませなかったのは、センバツ優勝投手の貫禄(かんろく)だった。「先発は久しぶりだったんで、ちょっと不安でした。投げ抜くつもりだったけど結果を見るとダメでした」と、センバツ後の初完封にもエースは厳しく自己採点した。

 夏のスタートは満点とはいかなかったが、センバツの経験がエースの支えとなっている。「甲子園で勝っていない去年とは違います」と心には余裕もある。昨年は春、夏と大舞台で好投しながら未勝利。センバツでは頂上まで一気に階段を駆け上がった。「相手は直球に合わせてきていたね。ピンチらしいピンチはなかったけど、やはり周囲は島袋への期待は大きいから」と我喜屋優監督(60)はエースを気遣った。4度目の甲子園まであと4勝。春夏連覇の偉業へ、ここからが島袋の正念場となる。