<高校野球大阪大会>◇17日◇1回戦

 大阪の公立校にいたプロ注目左腕が16奪三振の快投で、初戦を突破した。箕面東の左腕・浜田一輝投手(2年)は能勢を相手に被安打4で4-0の完封勝ちした。最速143キロを誇るサウスポーは最後の打者をつり球で三振に仕留め、マウンドを駆け下りた。「新聞を見たらほかの学校もエースがバリバリ投げてるんで」。長谷至康監督(56)に先発を直訴しての登板だった。

 2年生ながらすでに18歳だ。一昨年の夏、京都翔英を1年途中で退学した。両親が離婚し、父有紀彦さん(44)と暮らす大阪・茨木市の家から通学は難しかった。かつて中村紀洋(楽天)を擁し、公立の渋谷を甲子園に導いた長谷監督にひかれて昨春、入学した。

 現主将の穴田真規、捕手の茂幾(もぎ)侑士らに最初は敬語を使った。そんな浜田も、夏には肩を痛めた背番号1の穴田に代わり、背番号3で事実上のエースになっていた。「僕が投げて、穴田とかもおって、こんなチームになりました」と語る。

 高野連の規定で来年の大会への参加はできないが、練習は続ける。浜田は「来秋のドラフトで指名されたい」と望む。しかし、その前に「甲子園で1勝」-。90年の渋谷以来20年ぶりとなる公立代表へ私学の強豪をなぎ倒すつもりでいる。