仙台大(仙台6大学1位)が青森大(北東北2位)を2-1で振り切り、決勝に進出した。20日のドラフトで指名漏れした仙台大の3番松本桃太郎内野手(4年=北海)が初回に放った中前打を皮切りに2点を先制。稲毛田渉投手(1年=帝京)が9回5安打1失点で無四球完投した。今日23日の決勝は富士大(北東北1位)と激突する。

 プロ入りを逃した悔しさを胸にしまい、恩師と親友のために打った。初回の中前打で、2点先制を呼び込んだ松本は神妙な顔つきで振り返った。「下を向いている暇はない。明日(23日)勝って神宮に行って日本一しか考えてない」。20日のドラフト後の夜、森本吉謙監督(42)からは「日本一になって見返そう」と声をかけられ、雑念を消し去って試合に臨んでいた。

 チームメートからも「お前は大丈夫。2年後にプロにいけるから」と励まされた。寮の布団にもぐると、気丈に我慢していた涙が自然と頬をつたった。「指名されなかった悔しさじゃなくて、気を使ってくれた仲間の言葉がうれしかった。日本一になって日本一のスラッガーになる」。流した涙は無駄にはしない。